技術・研究開発
タングステン合金粉末の結晶粒微細化
技術・研究開発
掲載日:2006年4月3日

タングステンの融点は3653Kと高温であるため、その粉末の焼結プロセスは還元雰囲気または真空中での通電焼結あるいは炉内焼結が適用され、いずれも多大なエネルギーが必要です。また、タングステンは難加工性材料のため、加工条件の制御が難しく、加工時の材料損失が大きいことが問題です。焼結プロセスに必要なエネルギーを低減するキー技術は微細化です。
東芝マテリアルではタングステンの焼結性と加工性の向上を目的とした研究開発を進めています。具体的には、タングステンおよびタングステン-レニウム粉末にメカニカルミリング(MM)による超強加工を施し、結晶粒の微細化で焼結性と焼結体の高温での変形能への効果を調査しています。
現在、以下のことが確認されています。
- タングステンおよびタングステン-レニウム粉末にMM処理を施すことにより結晶粒径が微細化し、焼結性が向上する。
- レニウムの添加量が多いほど微細結晶組織がより高温まで維持される。
- MM処理を施した粉末の焼結体は、高温圧縮での変形能が高い。
- 焼結体の結晶粒径が微細で、かつ高温での結晶粒粗大化が抑制された試料が高い変形能をもつ。
特に、MM処理を施したW-10mass%Reの焼結体は、0.4Tmと低い温度でも超塑性変形を起こす可能性がある。
今後、純度や焼結プロセスの影響も調査し、製品への応用を検討していきます。
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