ブラスト・溶射処理
溶射処理
スパッタリング装置では成膜時に発生するパーティクル(微粒子)の低減による歩留り向上、チャンバー内の構成部品(防着板)長寿命化による生産性向上が重要な課題となっています。
これらの課題を解決するため、パーティクル低減、長寿命化用に、滑らかな表面形態を有したHRG溶射処理技術や比較的安価かつ高性能なHSA溶射処理技術を開発し、チャンバー内の構成部品に適用しています。

特長
- 付着膜の密着性が良好なため、発塵を抑制。
- ガス放出量が少なく、安定な成膜が可能。
- 熱サイクルに対するクラックや被膜剥離の発生を抑制できる。
- 損耗が少なく、部品の繰り返し使用が可能。
- 複雑形状部品でも、均一な表面粗さ及び膜厚が可能。
スパッタリング装置用防着部品の溶射処理

代表的な適用例
- スパッタリング装置のチャンバー内構成部品
- 半導体、液晶、磁気記録などの製造ライン
- 家電製品(耐摩耗性、熱伝導性、音響特性)
- VTRドラム、スピーカー、IH調理器、ホットプレートなど
- 自動車部品(耐摩耗性、摺動特性、耐蟻酸腐食性)
- エンジン部品、ブレーキ部品、ギアボックス他
- 産業機械(耐摩耗性、耐食性、耐熱性)
- 鉄鋼製造装置用ガイドロール、ガイドピン、ローラテーブル
- 印刷製造装置用カレンダーロール、ドクターブレード他
HRG溶射


- 特長
HRG溶射処理は、粗大な扁平粒子を積層して、滑らかな表面形態とうねりを有した被膜を形成し、パーティクル低減とライフアップを図ることができます。
- 用途
各種スパッタリング装置用防着部品への適用
HSA溶射

- 特長
HSA溶射処理は、溶射膜中の粒子間結合力を強くした膜構造と溶射突起を抑制した被膜を形成し、パーティクル低減とライフアップを図ることができます。
TaNスパッタ膜堆積形態 - 用途
各種スパッタリング装置用防着部品への適用
HVGJ溶射

- 特長
HVGJ溶射処理は、微細な溶融粒子を高速噴出させ、平滑な溶射面の被膜を形成させます。
これにより、以下の効果を発揮します。
- 最適な表面粗さ
- 均一な表面粗さ、膜厚の制御が可能
- 膜突起の発生防止によるパーティクル低減
- 溶射後の表面改質で長寿命化実現
- 用途
各種スパッタリング装置用防着部品への適用