レニウムタングステン部品
レニウムタングステン(レニタン®)ターゲット(回転陽極)
タングステンは融点が高いということと、高速の電子線が照射されるとX線を発生することから、医療用やセキュリティ用の各種X線管のX線発生源に使用されています。
東芝マテリアルでは強度、靱性(材料の中でき裂が発生しにくく、かつ伝わり拡がりにくい性質)に優れるレニタン®合金と、モリブデン合金を組み合わせたレニタン®ターゲットとモリブデン合金の一部をグラファイトに置き換えることにより、軽量化したレニタン®/グラファイトターゲットを製造しています。これらのターゲットは医療用X線管で使用されています。
特長
- 高強度で、高出力の電子ビームに対応
- 高精度で、高速回転しても軸がぶれない
- 高強度、高靱性、高耐熱性
製品仕様
これまでに蓄積してきたノウハウにより、各種ご要望にお応えします。
他素材のターゲット
用途例
- 医療用X線管(CTスキャナー用、循環器装置用、一般X線管)
プローブピン
タングステンは高強度と耐磨耗性を有する金属で、半導体や液晶パネル等の高密度集積回路の検査用プローブピン(コンタクトピン)に使用されます。東芝マテリアルではタングステンにレニウムを添加し、さらに性能を向上させたレニタン®を開発しました。 高強度、高導電性の特性を有すると同時に、微量元素制御技術により滑らかなピン先端を有し、プローブピンに適しています。
特長
- 電気伝導性、強度、耐磨耗性に優れる
- ピン先端表面が非常になめらか
製品仕様
製品名と材質
当社名称 | 材質の種類 |
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H30 | 3%レニウムータングステン |
H37 | 3%レニウムータングステン |
H36 | 26%レニウムータングステン |
W31 | 純タングステン |
標準サイズ、表面処理
- 標準サイズ、表面処理
- 径:Φ0.005~Φ0.5×L(mm)
- 表面処理
- 電解研磨仕上げ
- 金またはニッケルメッキ仕上げ(全面または部分)
用途例
- 半導体・液晶パネル等の高密度集積回路の検査
レニウムタングステン(レニタン®)ワイヤ
レニウムとタングステンは電気抵抗や機械特性が異なるため、タングステンへのレニウムの添加量によりレニタン®合金の電気抵抗や機械特性が変化します。東芝マテリアルではレニタン®合金の特性を活かしたさまざまな用途への応用が可能なワイヤをラインナップしています。
特長
- クラックが少なく、均質で高機能
- さまざまな特性のワイヤをラインナップ
標準仕様
材質
Re (wt%) |
K (ppm) |
Fe (ppm) |
Mo (ppm) |
W* (wt%) |
特長 | |
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H30 | 3 | ≦ 100 | ≦ 30 | ≦ 50 | ≧ 99.95 | ドープ剤を添加し、ノンサグ性に優れる |
H36 | 26 | ≦ 5 | ≦ 30 | ≦ 50 | ≧ 99.95 | Re添加量が多く、電気抵抗、機械強度が高い |
H37 | 3 | ≦ 5 | ≦ 30 | ≦ 50 | ≧ 99.95 | 半導体検査などのプローブピンに最適 |
H38 | 5 | ≦ 100 | ≦ 30 | ≦ 50 | ≧ 99.95 | 熱電対の +(プラス)側に使用される |
H39 | 26 | ≦ 5 | ≦ 30 | ≦ 50 | ≧ 99.95 | 熱電対の -(マイナス)側に使用される |
*: Re含有量を除いたタングステンの純度
- サイズ: お問い合わせください。
用途例
- プローブピン
- 各種検査治具
- 表示管
- 電子管用ヒーター